見やすく作成するための技術的ポイント

フローチャートは、情報を正確に伝達し、誤読を防ぐために「見やすさ」を意識して作成する必要があります。いくつかの技術的なポイントを押さえることで、その品質は大きく向上します。

最も基本的な原則は、処理の流れを統一することです。特別な理由がない限り、流れは「上から下へ」、そして「左から右へ」と一方通行で記述します。これにより、読み手は視線を自然に動かすだけで処理の順序を追うことができます。

次に、使用する図記号の意味を統一し、明確にすることが求められます。標準記号(端子、処理、判断など)を正しく使い分けるのは当然として、プロジェクト内で独自の記号や色分けを用いる場合は、必ず「凡例(はんれい)」をチャートの分かりやすい場所に記載し、記号の意味を定義する必要があるでしょう。

また、一つの図の中に情報を詰め込み過ぎないことも重要です。図記号やテキストが密集しすぎていると、全体像の把握が困難になり、見落としや誤解を招く原因となります。処理のステップごとにある程度の余白(スペース)を設け、全体を俯瞰(ふかん)できるように整えるべきです。図記号内に記述するテキストも、冗長な説明は避け、要点を押さえた簡潔な表現を心がけます。詳細な説明が必要な場合は、参照番号を振って別紙や注釈に記述すると良いでしょう。

線(フローライン)の交差は、可能な限り避けるべきです。線が複雑に交差すると、流れを追うのが困難になります。記号の配置を工夫して、線が交わらないようにレイアウトを調整します。どうしても流れを戻したり、遠くの記号に接続したりする必要がある場合は、線を大きく迂回させる、あるいは「結合子(けつごうし)」と呼ばれる記号を使って流れを分割し、見やすさを優先します。